問題
Q23. 次の 1 ~ 5 の文は,防災分野における GIS 及び地理空間情報の活用方法について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の 1 ~ 5 の中から選べ。
1.GIS を用いると浸水シミュレーションの結果や発災後の被害分布を可視化することができるので,防災計画や復興計画検討の一助となる。
2.道路のネットワークデータを用いて,GIS のネットワーク解析で最短経路探索を行うことにより,避難経路の検討に活用できる。
3.河川が氾濫した場合,DEM と写真などから判断した浸水箇所の位置情報を利用して,おおよその浸水域を推定し,地図上に表現できる。
4.山林で発生した斜面崩壊の土砂量は,発災前の DSM の高さ情報と発災直後に行った航空レーザ測量で作成した DEM との差分に崩壊範囲の面積を乗じて正確に求めることができる。
5.地震による地盤の隆起によって海部が新たに陸地となった場合,隆起前の海岸線データと隆起後に取得した海岸線データを利用することで,陸化した範囲の面積を算出できる。
正解・解説
答え
答えは 4。
正答根拠
答えは 4。
誤っているのは 4。
1は正しい。 浸水シミュレーション結果や発災後の被害分布を地図上に可視化し,防災計画・復興計画の検討に使うのは GIS の基本的な活用である。
2は正しい。 道路ネットワークデータを使えば,GIS のネットワーク解析で最短経路探索ができ,避難経路の検討に活用できる。
3は正しい。 DEM と浸水箇所の位置情報を使って,おおよその浸水域を推定し,地図上に表現することはできる。問題文も「おおよその」としていて言い過ぎではない。
4が誤り。 間違っているのは 「正確に求めることができる」の部分であり、正しくは、「概算・推定として求めることができる」。発災前の DSM には樹木や建物など地表面上の物も含まれ,発災後 DEM との差分にはそれらの影響が混ざりうる。したがって,差分×面積で求まるのは 概算・推定 であって,それだけで常に正確な土砂量が出るとはいえない。
5は正しい。 隆起前後の海岸線データを比較すれば,新たに陸地化した範囲を面として捉え,その面積を算出できる。
この問題は,GIS で できる/できない ではなく,どこまでの精度で言えるか を見る。4のように 「正確に」 と言い切っている肢は要注意。
関連知識 標高差から体積を求めるときは、同じ地表面を表す時系列データを同一格子で差分し、各セルの差×面積を積算する。DSMとDEMの無条件な差分には植生・建物の差も混ざる。
問題・正答の出典:国土地理院「測量士・測量士補試験問題・解答例」。問題・解説は学習用に編集しています。解説は国土地理院が作成・推奨するものではありません。法令や作業規程の改正により、現在の取扱いと異なる場合があります。