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技術士 適性科目 令和7年度 Ⅱ-14|問題と解説

問題 Ⅱ-14

近年リスクアセスメントの手法として、下図に示す英国安全衛生庁のキャロットダイアグラム(ALARPの原理)の考え方がIEC(国際電気標準会議)やJIS(日本産業規格)に取り入られている。この考え方の特徴は、安全を「受容できないリスクがないこと=広く受け入れ可能なレベルにまでリスクが軽減されていること」と定義していることである。そして、「広く受け入れ可能なリスク」と「許容できないリスク」との間には、リスクと便益との比較、並びに、リスク軽減に要する費用と軽減によって得られるメリットとの比較において、「ALARP(AsLowAsReasonablyPracticable:合理的に実行可能な限り低くするという原則)」の領域が設定されている。

次のうち、ALARP領域において許容される条件として、最も適切なものはどれか。

1 ALARP領域は許容領域とも呼ばれるためすべてのリスクが無条件で許容される
2 リスク軽減のために必要となる費用が改善に対して全く釣り合っていない場合
3 事故発生時の賠償費用よりリスク対策に要する費用の方が高い場合
4 残存リスクが無視できるレベルの場合
5 リスク軽減に必要な予算はあるが、その予算をリスク軽減以外の事業に投入したい場合

正解と解説

正解:2

解説
正答根拠

答えは2。

1× ALARP領域のすべてのリスクが無条件で許容されるとする点が誤り。正しくは、合理的に実行可能な限りリスクを低減した場合に限って許容される。
2○ 追加のリスク低減に必要な費用・労力が、得られる改善に対して著しく不釣合いとなる場合は、それ以上の低減が合理的に実行可能とはいえず、ALARP領域で許容され得る。
3× 事故時の賠償費用と対策費だけを比較する点が誤り。正しくは、リスク低減による安全上の便益と、その対策に必要な費用・労力を比較する。
4× 残存リスクが無視できるレベルであることをALARP領域の条件とする点が誤り。正しくは、その状態は一般に広く許容できる領域に当たる。
5× 予算を別事業へ使いたいという都合を、リスクを残す理由とする点が誤り。正しくは、合理的に実行可能な低減策は実施しなければならない。
関連知識
リスク領域は、許容できない領域、ALARP領域、広く許容できる領域の三つで整理する。ALARPは「リスクをゼロにしなくてよい」という意味ではなく、合理的に実行可能な限り低くするという原則である。

問題・正答の出典:公益社団法人 日本技術士会(公式の過去問題・公式正答)
掲載している解説は日本技術士会の公式解説ではありません。

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