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技術士 専門科目(建設部門) 令和5年度 Ⅲ-9|問題と解説

問題 Ⅲ-9

鋼橋の維持管理に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

1 橋の端部は,雨水や土砂の堆積,風通しの悪さなどにより,厳しい腐食環境となりやすい。
2 遅れ破壊とは,高強度鋼に一定の引張負荷を持続的に与えた場合,ある時間経過後に,突然,ぜい性的な破壊が生じる現象であり,F10TやF8Tなど,引張強度がおおむね1000N/mm2以下の摩擦接合用高力ボルトで発生しやすい。
3 疲労とは,時間的に変動する荷重が部材に繰り返し作用することによりき裂が発生し,それがさらなる荷重の繰返しによって徐々に進展し,最終的に延性破壊やぜい性破壊につながる破壊現象である。
4 溶接補修では,対象となる鋼材の溶接性と,溶接の作業環境に十分に配慮する必要がある。判断を誤ると,溶接割れなどの欠陥が発生し,補修効果が得られないことになる。
5 耐候性鋼材は,鋼にリン,銅,クロム,ニッケルなどの合金元素を添加することにより鋼材表面に緻密な錆を発生させ,それによって鋼材表面を保護して腐食の進展を抑制するものである。

正解と解説

正解:2

解説
正答根拠

答えは2。

1. ○ 橋端部は雨水・土砂がたまり乾燥しにくく、腐食環境が厳しい。

2. × F8Tまでを遅れ破壊が生じやすい高力ボルトとしている点が誤り。正しくは、遅れ破壊は水素の影響を受けるより高強度の鋼材で問題となる。

3. ○ 疲労は繰返し荷重で発生したき裂が進展して破壊に至る現象である。

4. ○ 溶接補修では鋼材の溶接性と作業環境を考慮しないと溶接割れを生じる。

5. ○ 耐候性鋼材は保護性さびにより腐食の進展を抑制する。

関連知識 遅れ破壊は高強度鋼材で水素の影響を受けて時間をおいて生じる破壊である。高力ボルトでは強度区分、腐食環境、水素の侵入を併せて考える。

問題・正答の出典:公益社団法人 日本技術士会(公式の過去問題・公式正答)
掲載している解説は日本技術士会の公式解説ではありません。

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