Q9. 次の文は、GNSS測量機を用いた基準点測量における誤差やその軽減方法について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。
1.GNSS衛星から発信される電波がGNSS測量機周辺の構造物等に反射してGNSS測量機に届くことにより、誤差が大きくなることがある。
2.二重位相差を用いた基線解析により、GNSS衛星の時計とGNSS測量機の時計の精度の違いにより生じる時計誤差を消去することができる。
3.PCV補正を行うことにより、入射角に依存して電波の受信位置が変化することによる影響を軽減することができる。
4.電子基準点のみを既知点としたGNSS測量機を用いた基準点測量を行う場合にセミ・ダイナミック補正を行う必要があるのは、地殻変動によるひずみの影響で生じる新点の成果と近傍の既設点の成果との不整合を軽減するためである。
5.2周波で基線解析を行うことにより、対流圏の影響による誤差を軽減することができる。
正解・解説
解説
答え
5
各肢の解説
①○ 適切
マルチパスは、建物などで反射した電波が直接波とともにアンテナへ届く現象である。伝わる経路が余分に長くなるため、衛星までの距離の推定に誤差を与える。
②○ 適切
二重位相差は、2台の受信機と2個の衛星で観測した位相の差を組み合わせる。受信機時計と衛星時計に共通する誤差項を差によって消去する。
③○ 適切
アンテナが電波を受けたとみなす位相中心は、電波の入射方向によって変化する。PCV補正は、この方向依存のずれをアンテナの補正モデルで軽減する。
④○ 適切
セミ・ダイナミック補正は、成果の基準時点である元期と観測時点である今期の間の地殻変動を扱う。元期の既知点成果を今期へ補正して計算し、新点の今期座標を元期へ戻して成果とする。
⑤× 不適切
「2周波で基線解析を行うことにより、対流圏の影響による誤差を軽減できる」が誤りである。正しくは、2周波観測で軽減できる主なものは電離層遅延の影響である。
したがって、誤っている⑤が正解となります。