測量士 過去問 / 令和6年

令和6年 No.17
数値写真と比高

測量士試験・午前択一

問題

Q17. 画面距離 10 cm,画面の大きさ 17,000 画素 × 11,000 画素,撮像面での素子寸法 6 μm のデジタル航空カメラを鉛直下に向けて撮影した 1 枚の数値写真がある。
この数値写真には図17のように,主点付近には正方形の平らな屋上を持つ建物が,主点から画面の短辺と平行に左へ離れた場所には高塔の先端と根元を両端とする高塔の像が,それぞれ写っている。なお,図17ではこれらの地物を実際より拡大して示している。
主点付近にある建物の屋上の一辺を数値写真上で計測したところ,300 画素 の長さであった。この建物は標高 180 m の地点に立ち,建物の高さは 20 m,屋上の一辺の実長は 36 m である。
一方,高塔は標高 0 m で傾斜のない場所に立っている。数値写真上で計測したところ,主点からこの高塔の先端までの長さは 4,000 画素,高塔の像の長さは 140 画素 であった。この高塔の高さは幾らか。最も近いものを次の 1 ~ 5 の中から選べ。
ただし,数値写真の主点と鉛直点は一致するものとし,建物の屋上の一辺,及び高塔の像は画面の短辺と平行に写っているものとする。
また,高塔は鉛直方向にまっすぐに立ち,高塔の太さは考慮しないものとする。
なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。
1.70m
2.71m
3.74m
4.76m
5.77m
出題時の関数表

問題文で指定されている関数表です。拡大して確認できます。

令和6年 測量士試験の関数表

出典:国土地理院・令和6年の問題冊子

正解・解説

答え

答えは 5。

正答根拠

主点付近の建物屋上は,実長 36m が写真上 300画素。素子寸法 6μm だから,写真上の長さは 300×0.006=1.8mm。
画面距離 f=10cm=100mm なので,類似比より 1.8 / 36000 = 100 / H_r。
これを解くと,カメラから建物屋上までの高さは H_r=2000m。建物屋上の標高は 180+20=200m だから,カメラの標高は 2200m。

主点と鉛直点が一致する鉛直写真なので,比高による像のずれは d = r h / H を使う。
ここで,r は主点から高塔先端までの写真上距離,d は高塔像の長さ,H はカメラから高塔根元までの高さ。

r = 4000画素×0.006mm = 24.0mm
d = 140画素×0.006mm = 0.84mm
H = カメラ標高2200m − 高塔根元標高0m = 2200m

d = r h / H から,
h = dH / r = 0.84 × 2200 / 24.0 = 77.0m

5○ 77m が一致する。

1〜4× 撮影高度を 2000m のまま使ってしまう,または画素寸法の換算を誤ると出やすい値。

したがって,答えは 5。

関連知識 鉛直な物体の比高による写真上のずれは主点から放射状に生じ、 d/r=h/H が成り立つ。主点から遠い物体ほど倒れ込みが大きく、同じ高さでも写真中心付近では変位が小さい。

問題・正答の出典:国土地理院「測量士・測量士補試験問題・解答例」。問題・解説は学習用に編集しています。解説は国土地理院が作成・推奨するものではありません。法令や作業規程の改正により、現在の取扱いと異なる場合があります。

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