問題
Q5. 次の文は,測量の誤差について述べたものである。ア ~ ウ に入る数式又は数値の組合せとして最も適当なものはどれか。次の中から選べ。
なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。
測量の誤差には,測定の条件が変わらなければ大きさや現れ方が一定した系統誤差と,誤差の原因が不明又は原因が分かってもその影響が除去できない偶然誤差がある。
偶然誤差だけを含む一群の測定値について,残差の値を横軸に,残差の相対度数を縦軸にとってプロットした点を結ぶと,例として図5の破線のようなグラフが得られる。もし,測定回数を限りなく増やしたとすると,破線の形状は実線のような左右対称の曲線になると考えられ,偶然誤差の分布は,一般に正規分布に従うと仮定される。
正規分布の確率密度関数は,平均値を μ,標準偏差を σ とすると,ア で表される。
ア 式中の (x-μ)/σ を式5のように Z とおくと,ア は Z についての平均値 0,標準偏差 1 の標準正規分布として取り扱うことができ,正規分布表を使うことができる。
Z = (x-μ)/σ …… 式5
例えば,ある距離の偶然誤差だけを含む一群の測定値について,平均値が 100.000 m,標準偏差が 0.012 m の結果を得たとする。このとき,観測距離が 100.020 m 以上となる確率を求める場合,式5の Z の値として イ を用いることで,表5に示す正規分布表(上側確率)を使って ウ %を得る。
1.
f(x)=1/(√(2π)σ)·{-(x-μ)/(2σ)}2
ア= イ=1.67 ウ=27.4
2.
f(x)=1/(√(2π)σ)exp(-(x-μ)2/(2σ2))
ア= イ=0.60 ウ=4.7
3.
f(x)=1/(√(2π)σ)exp(-(x-μ)2/(2σ2))
ア= イ=1.67 ウ=4.7
4.
f(x)=1/(√(2π)σ)exp(-(x-μ)2/(2σ2))
ア= イ=0.60 ウ=27.4
5.
f(x)=1/(√(2π)σ)·{-(x-μ)/(2σ)}2
ア= イ=1.67 ウ=4.7
図5・表5


出題時の関数表
正解・解説
答え
答えは 3。
正答根拠
この問題は、正規分布の式 と 標準化 Z の両方を正しく使えるかを見る問題である。式だけでなく、最後に 上側確率 を表から読むところまでがセット。
正規分布の確率密度関数は
f(x)=1/(√(2π)σ) exp(-(x-μ)2/(2σ2))
である。また、標準化は
Z = (x-μ)/σ で行う。
f(x)=1/(√(2π)σ) exp(-(x-μ)2/(2σ2))
である。また、標準化は
Z = (x-μ)/σ で行う。
- アは exp を含む正しい正規分布の式 を選ぶ。
- 次に Z = (100.020-100.000)/0.012 を計算してイを出す。
- 最後にその Z に対する 上側確率 を正規分布表から読む。
イは
Z = 0.020 / 0.012 = 1.666… ≒ 1.67
となる。上側確率表で Z = 1.67 を引くと、0.047 = 4.7% である。したがって アは正しい正規分布の式、イ = 1.67、ウ = 4.7% の組合せを選べばよい。
exp が抜けた式 は正規分布の式ではない。また、この表は 上側確率 なので、左右両側や下側の値と取り違えない。
したがって答えは 3。 である。
関連知識 正規分布では平均からおよそ±1σ、±2σ、±3σの範囲に、それぞれ約68%、95%、99.7%が入る。上側確率は片側だけなので、両側の外側確率を求める場合は対称性を使って2倍する。
問題・正答の出典:国土地理院「測量士・測量士補試験問題・解答例」。問題・解説は学習用に編集しています。解説は国土地理院が作成・推奨するものではありません。法令や作業規程の改正により、現在の取扱いと異なる場合があります。
