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技術士 適性科目 令和3年度 Ⅱ-10|問題と解説

問題 Ⅱ-10

多くの国際安全規格は、ISO/IEC Guide51(JIS Z8051)に示された「規格に安全側面(安全に関する規定)を導入するためのガイドライン」に基づいて作成されている。このGuide51には「設計段階で取られるリスク低減の方策」として以下が提示されている。

・「ステップ1」: 本質的安全設計

・「ステップ2」: ガード及び保護装置

・「ステップ3」: 使用上の情報(警告、取扱説明書など)

次のア〜カの記述のうち、このガイドラインが推奨する行動として、あきらかに誤っているものの数を選べ。

アある商業ビルのメインエントランスに設置する回転ドアを設計する際に、施工主の要求仕様である「重厚感のある意匠」を優先して、リスク低減に有効な「軽量設計」は採用せずに、インターロックによる制御安全機能、及び警告表示でリスク軽減を達成させた。

イ建設作業用重機の本質的安全設計案が、リスクアセスメントの検討結果、リスク低減策として的確と評価された。しかし、僅かに計画予算を超えたことから、ALARPの考え方を導入し、その設計案の一部を採用しないで、代わりに保護装置の追加、及び警告表示と取扱説明書を充実させた。

ウある海外工場から充電式掃除機を他国へ輸出したが、「警告」の表示は、明白で、読みやすく、容易で消えなく、かつ、理解しやすいものとした。また、その表記は、製造国の公用語だけでなく、輸出であることから国際的にも判るように、英語も併記した。

エ介護ロボットを製造販売したが、「警告」には、警告を無視した場合の、製品のハザード、そのハザードによってもたらされる危害、及びその結果について判りやすく記載した。

オドラム式洗濯乾燥機を製造販売したが、「取扱説明書」には、使用者が適切な意思決定ができるように、必要な情報をわかり易く記載した。また、万一の製品の誤使用を回避する方法も記載した。

カエレベータを製造販売したが「取扱説明書」に推奨されるメンテナンス方法について記載した。ここで、メンテナンスの実施は納入先の顧客(使用者)が主体で行う場合もあるため、その作業者の訓練又は個人用保護具の必要性についても記載した。

1 1
2 2
3 3
4 4
5 5

正解と解説

正解:3

解説
正答根拠

答えは3。

ア× 重厚感を優先して軽量化による本質的安全設計を採用せず、保護装置と警告で補った点が誤り。正しくは、まず本質的安全設計でハザードを除去・低減する。
イ× 有効な本質的安全設計を、僅かな予算超過を理由にALARPで省略した点が誤り。正しくは、リスク低減費用が利益に対し著しく不均衡でない限り低減策を実施する。
ウ× 警告を製造国の公用語と英語で表示すればよいとする点が誤り。正しくは、実際の使用者が理解できる言語・表現で警告する。
エ○ 警告に、ハザード、生じ得る危害、その結果を理解できる形で記載することは適切である。
オ○ 使用者の適切な意思決定に必要な情報と、予見可能な誤使用を回避する方法を取扱説明書に示すことは適切である。
カ○ 保守方法、作業者の訓練、個人用保護具の必要性を取扱説明書に示すことは適切である。
関連知識
リスク低減は①本質的安全設計 → ②ガード・保護装置 → ③使用上の情報の優先順位で行う。警告はハザードを除去せず、上位の低減策を代替できない。

問題・正答の出典:公益社団法人 日本技術士会(公式の過去問題・公式正答)
掲載している解説は日本技術士会の公式解説ではありません。

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