技術士第一次試験|無料Web版
技術士 適性科目 令和3年度 Ⅱ-4|問題と解説
問題 Ⅱ-4
安全保障貿易管理(輸出管理)は、先進国が保有する高度な貨物や技術が、大量破壊兵器等の開発や製造等に関与している懸念国やテロリスト等の懸念組織に渡ることを未然に防ぐため、国際的な枠組みの下、各国が協調して実施している。近年、安全保障環境は一層深刻になるとともに、人的交流の拡大や事業の国際化の進展等により、従来にも増して安全保障貿易管理の重要性が高まっている。大企業や大学、研究機関のみならず、中小企業も例外ではなく、業として輸出等を行う者は、法令を遵守し適切に輸出管理を行わなければならない。輸出管理を適切に実施することにより、法令違反の未然防止はもとより、懸念取引等に巻き込まれるリスクも低減する。
輸出管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1 α大学の大学院生は、ドローンの輸出に関して学内手続をせずに、発送した。
2 α大学の大学院生は、ロボットのデモンストレーションを実施するためにA国β大学に輸出しようとするロボットに、リスト規制に該当する角速度・加速度センサーが内蔵されているため、学内手続の申請を行いセンサーが主要な要素になっていないことを確認した。その結果、規制に該当しないものと判断されたので、輸出を行った。
3 α大学の大学院生は、学会発表及びB国γ研究所と共同研究の可能性を探るための非公開の情報を用いた情報交換を実施することを目的とした外国出張の申請書を作成した。申請書の業務内容欄には「学会発表及び研究概要打合せ」と記載した。研究概要打合せは、輸出管理上の判定欄に「公知」と記載した。
4 α大学の大学院生は、C国において地質調査を実施する計画を立てており、「赤外線カメラ」をハンドキャリーする予定としていた。この大学院生は、過去に学会発表でC国に渡航した経験があるので、直前に海外渡航申請の提出をした。
5 α大学の大学院生は、自作した測定装置は大学の輸出管理の対象にならないと考え、輸出管理手続をせずに海外に持ち出すことにした。
正解と解説
正解:2
解説正答根拠
答えは2。
1× 学内手続をせずに輸出した点が誤り。正しくは、該非判定と需要者・用途の確認を含む所定の審査を輸出前に行う。
2○ 内蔵センサーの該非を学内手続で確認し、機器の主要な要素に当たらないと判定した後に輸出している。
3× 非公開情報の提供を「公知」とした点が誤り。正しくは、非公開の技術情報は技術の提供として輸出管理の審査対象とする。
4× 過去の渡航経験があるため直前申請でよいとした点が誤り。正しくは、赤外線カメラの該非と携行先・用途を事前に確認する。
5× 自作装置は輸出管理の対象外とする点が誤り。正しくは、自作品も仕様と用途に基づき該非判定等を行う。
関連知識
輸出管理の対象は貨物の国外発送だけでない。技術情報の提供、ハンドキャリー、自作装置、デモ機も対象になり得る。
輸出管理の対象は貨物の国外発送だけでない。技術情報の提供、ハンドキャリー、自作装置、デモ機も対象になり得る。
問題・正答の出典:公益社団法人 日本技術士会(公式の過去問題・公式正答)
掲載している解説は日本技術士会の公式解説ではありません。