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技術士 基礎科目 令和3年度 Ⅰ-4-6|問題と解説
問題 Ⅰ-4-6
DNAの構造的な変化によって生じる突然変異を遺伝子突然変異という。遺伝子突然変異では、1つの塩基の変化でも形質発現に影響を及ぼすことが多く、置換、挿入、欠失などの種類がある。遺伝子突然変異に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1 1塩基の置換により遺伝子の途中のコドンが終止コドンに変わると、タンパク質の合成がそこで終了するため、正常なタンパク質の合成ができなくなる。この遺伝子突然変異を中立突然変異という。
2 遺伝子に1塩基の挿入が起こると、その後のコドンの読み枠がずれるフレームシフトが起こるので、アミノ酸配列が大きく変わる可能性が高い。
3 鎌状赤血球貧血症は、1塩基の欠失により赤血球中のヘモグロビンの1つのアミノ酸がグルタミン酸からバリンに置換されたために生じた遺伝子突然変異である。
4 高等動植物において突然変異による形質が潜性(劣性)であった場合、突然変異による形質が発現するためには、2本の相同染色体上の特定遺伝子の片方に変異が起こればよい。
5 遺伝子突然変異はX線や紫外線、あるいは化学物質などの外界からの影響では起こりにくい。
正解と解説
正解:2
解説答えは②。
1.× 中立突然変異とする点が誤り。正しくは,塩基置換により終止コドンが生じてタンパク質合成が途中で終わる変異はナンセンス突然変異である。
2.○ 1塩基の挿入により読み枠がずれるフレームシフト突然変異では,その後のアミノ酸配列が大きく変化する可能性が高い。
3.× 1塩基の欠失とする点が誤り。正しくは,鎌状赤血球貧血症はヘモグロビンのアミノ酸が置換される1塩基の置換により生じる。
4.× 片方の相同染色体だけに変異があればよいとする点が誤り。正しくは,潜性(劣性)の形質が発現するには,通常,両方の相同染色体上の遺伝子に変異が必要である。
5.× 外界からの影響では起こりにくいとする点が誤り。正しくは,X線,紫外線及び化学物質は遺伝子突然変異を誘発し得る。
最も適切なものは②である。
関連知識:。塩基置換は読み枠を変えないが,アミノ酸置換又は終止コドンの出現を生じることがある。
問題・正答の出典:公益社団法人 日本技術士会(公式の過去問題・公式正答)
掲載している解説は日本技術士会の公式解説ではありません。