測量士 過去問 / 令和5年

令和5年 No.8
TS基準点・距離換算(8)

測量士試験・午前択一

問題

Q8. 公共測量におけるトータルステーションを用いた 1 級基準点測量において,図8に示すように,標高 16.10 m の点 A と標高 94.70 m の点 B との間の距離及び高低角の観測を行い,表8の観測結果を得た。D を斜距離,αA を点 A から点 B 方向の高低角,αB を点 B から点 A 方向の高低角,iA,fA を点 A の器械高及び目標高,iB,fB を点 B の器械高及び目標高とするとき,点 A,点 B 間の基準面上の距離は幾らか。最も近いものを次の中から選べ。
ただし,地球の平均曲率半径は 6,370 km,点 A,点 B のジオイド高を平均した値は 43.00 m を用いるものとする。また,D は気象補正等必要な補正が既に行われているものとする。
なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。
1.1,122.58 m
2.1,122.60 m
3.1,122.62 m
4.1,122.64 m
5.1,122.66 m
図8
表8
αA3° 59′ 45″
αB−4° 00′ 15″
D1,125.400 m
iA,fA1.650 m
iB,fB1.550 m
出題時の関数表

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令和5年 測量士試験の関数表

出典:国土地理院・令和5年の問題冊子

正解・解説

答え

答えは 4。

正答根拠

この問題は、斜距離観測から 点 A・B 間の基準面上距離 を求める問題である。流れは一貫していて、斜距離 → 水平距離 → 基準面上距離 の順で処理する。

水平距離 = D cosα、基準面上距離 = 水平距離 × R/(R+H) を使う。ここで α は両方向高低角と器械高・目標高から整えた鉛直角、H は標高・器械高(目標高)・ジオイド高を合わせた平均楕円体高であり、この問題では100.00 mである。
  • 表8の両方向観測から、器械高・目標高も考慮して 真の鉛直角 α を決める。
  • その α を使って D cosα で水平距離を出す。
  • 最後に R/(R+100.00) を掛けて基準面上距離へ換算する。

この問題では、表8の数値を順に入れていくと、まず斜距離 D から点 A・B 間の水平距離が求まる。さらに地球の平均曲率半径 R = 6,370 km と平均ジオイド高 43.00 m を用いて基準面上へ換算すると、最も近い値は 1,122.64 m になる。

斜距離をそのまま答えにしない こと。基準点測量では、最終的に聞かれているのが 基準面上距離か、水平距離か を必ず確認する。

したがって答えは 4。(1,122.64 m)である。

関連知識 観測距離を地図上の距離にするには、斜距離の水平化、標高による基準面縮尺補正、投影による平面縮尺補正を順に考える。基準面縮尺と投影縮尺を掛け合わせた係数は総合縮尺係数と呼ばれる。

代入して計算する

両方向の高低角から、α = {3°59′45″ − (−4°00′15″)}/2 = 4°00′00″。

水平距離は D cosα = 1,125.400 × cos4° ≒ 1,122.658582 m。

基準面への換算に使う平均楕円体高 H は、標高・器械高(目標高)・ジオイド高の合計で、H = (16.10 + 94.70)/2 + (1.650 + 1.550)/2 + 43.00 = 100.00 m。43.00 mだけを使わない。

R = 6,370,000 m として、基準面上距離 = 1,122.658582 × 6,370,000 / (6,370,000 + 100.00) ≒ 1,122.640958 m。最も近い 1,122.64 m(4) を選ぶ。

問題・正答の出典:国土地理院「測量士・測量士補試験問題・解答例」。問題・解説は学習用に編集しています。解説は国土地理院が作成・推奨するものではありません。法令や作業規程の改正により、現在の取扱いと異なる場合があります。

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