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技術士 専門科目(建設部門) 令和7年度 Ⅲ-8|問題と解説
問題 Ⅲ-8
鋼材の腐食及び防食に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
1 厚膜被覆は,ゴムやプラスチックなどの有機材料を1mm以上の厚膜に被覆した長期間の耐食性を有する防食法であり,主として港湾・海洋鋼構造物の飛沫・干満部の防食に用いられる。
2 防食下地として塗装されるジンクリッチペイントは,塗膜中に含まれる亜鉛末が鋼材表面に接触しており,塗膜に傷が入った場合などに犠牲防食作用を発揮して鋼材の腐食を防ぐ役割を担っている。溶出した亜鉛は,水分と反応して亜鉛化合物を生成して保護皮膜を形成する。
3 耐候性鋼材は,リン,銅,ニッケル,クロムなどを少量添加した低合金鋼材であり,適度な乾湿の繰返しを受け,塩化物イオンのほとんどない環境で鋼材表面に形成される緻密な保護性錆びにより腐食の進展を抑制する。このため,耐候性鋼材は腐食性の高い環境に適用される。
4 溶融めっきは,溶融した金属浴に鋼材を浸漬させ,鋼材表面にめっき皮膜を形成させる防食法であり,めっき材に用いる金属として亜鉛,アルミニウム,亜鉛・アルミニウム合金などがある。
5 金属溶射は,鋼材表面に溶融した金属材料を溶射して形成した溶射皮膜が腐食因子や腐食促進物質の鋼材への到達を抑制して鋼材を保護する防食法である。溶射直後の皮膜には多くの気孔が存在し,この気孔に水分などの腐食因子が侵入し不具合が生じることを防ぐため,金属溶射後に封孔処理が必要となる。
正解と解説
正解:3
解説正答根拠
答えは3。
1. ○ 厚膜被覆はゴム・プラスチック等を1 mm以上の厚さで被覆し、飛沫帯・干満帯などの長期防食に用いる。
2. ○ ジンクリッチペイントは亜鉛末の犠牲防食作用と、生成した亜鉛化合物の保護皮膜により鋼材を防食する。
3. × 耐候性鋼材を腐食性の高い環境に適用する点が誤り。正しくは、飛来塩分が少なく乾湿が繰り返される環境で保護性さびを形成させて用いる。
4. ○ 溶融めっきは溶融金属浴に鋼材を浸漬し、亜鉛・アルミニウム等の被膜を形成する防食法である。
5. ○ 金属溶射後の皮膜には気孔があるため、水分等の侵入を防ぐ封孔処理を行う。
関連知識 耐候性鋼材は保護性さび、溶融亜鉛めっきは亜鉛の被膜・犠牲防食を利用する。飛来塩分が多い環境では耐候性鋼材の保護性さびが安定しにくい。
問題・正答の出典:公益社団法人 日本技術士会(公式の過去問題・公式正答)
掲載している解説は日本技術士会の公式解説ではありません。