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技術士 専門科目(建設部門) 令和3年度 Ⅲ-9|問題と解説

問題 Ⅲ-9

鋼材の腐食及び防食に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

1 耐候性鋼材は,リン,銅,ニッケル,クロムなどを少量添加した低合金鋼材であり,適度な乾湿の繰返しを受け,塩化物イオンのほとんどない環境で鋼材表面に形成される緻密な保護性錆びにより腐食の進展を抑制する。このため,耐候性鋼材は腐食性の高い環境に適用される。
2 防食下地として塗装されるジンクリッチペイントは,塗膜中に含まれる亜鉛末が鋼材表面に接触しており,塗膜に傷が入った場合などに犠牲防食作用を発揮して鋼材の腐食を防ぐ役割を担っている。溶出した亜鉛は,水分と反応して亜鉛化合物を生成して保護皮膜を形成する。
3 厚膜被覆は,ゴムやプラスチックなどの有機材料を1mm以上の厚膜に被覆した長期間の耐食性を有する防食法であり,主として港湾・海洋鋼構造物の飛沫・干満部の防食に用いられる。
4 金属溶射は,鋼材表面に溶融した金属材料を溶射して形成した溶射皮膜が腐食因子や腐食促進物質の鋼材への到達を抑制して鋼材を保護する防食法である。溶射直後の皮膜には多くの気孔が存在し,この気孔に水分などの腐食因子が侵入し不具合が生じることを防ぐため,金属溶射後に封孔処理が必要となる。
5 溶融めっきは,溶融した金属浴に鋼材を浸漬させ,鋼材表面にめっき皮膜を形成させる防食法であり,めっき材に用いる金属として亜鉛,アルミニウム,亜鉛・アルミニウム合金などがある。

正解と解説

正解:1

解説
正答根拠

答えは1。

1. × 耐候性鋼材を腐食性の高い環境へ適用する点が誤り。正しくは、塩化物イオンが少なく乾湿が繰り返されるなど、保護性さびが形成される環境に適用する。

2. ○ ジンクリッチペイントは亜鉛末の犠牲防食作用により鋼材腐食を抑える。

3. ○ 厚膜被覆は有機材料を厚く被覆する防食法で、飛沫帯・干満帯等に用いる。

4. ○ 金属溶射後は皮膜の気孔から腐食因子が侵入しないよう封孔処理を行う。

5. ○ 溶融めっきには亜鉛、アルミニウム、亜鉛・アルミニウム合金等を用いる。

関連知識 耐候性鋼材は飛来塩分が多い環境では保護性さびが形成されにくい。

問題・正答の出典:公益社団法人 日本技術士会(公式の過去問題・公式正答)
掲載している解説は日本技術士会の公式解説ではありません。

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